ひとことで言うと

リスクリワード比(RR)とは、1回の取引で許容する損失幅と、狙う利益幅の比率のことです。「いくら損するかもしれないか」と「いくら儲けたいか」のバランスを表す数字になります。

たとえばドル円で次のような取引ルールを引いたとしましょう。

  • 損切りまで 20pips
  • 利確まで 40pips

このときのRRは 1:2。リスク1に対してリターン2を狙う、という意味です。20pips負けて30pips勝つルールならRRは1:1.5、20pips負けて60pips勝つならRRは1:3になります。

ふくり博士(ひらめき)

ふくり博士

ガチャを引くときと同じ発想じゃ。 300円払って当たれば1,000円もらえるガチャと、 300円払って当たっても300円しかもらえないガチャ、 どっちが「期待していい賭け」か考えれば、RRの意味はすぐわかるぞ。

RRと勝率はトレードオフ

「RRが高ければ勝てる」と単純に言えないのは、RRと勝率がトレードオフの関係にあるからです。

利確を遠くに置けばRRは上がりますが、その手前で反転して損切りに戻る確率が増えるので勝率は下がります。逆に利確を近くに置けば取りやすくなって勝率は上がりますが、RRは下がります。

取引ルールの例損切り利確RR勝率の傾向
利確が近い20pips10pips1:0.5高め(60〜70%)
バランス型20pips40pips1:2中(30〜45%)
利確が遠い20pips100pips1:5低め(10〜25%)

どれが正解、ということはありません。RRと勝率を掛け合わせた期待値がプラスになっているかが判断軸です。期待値の組み立て方は 期待値 に整理しています。

損益分岐の勝率を覚えておく

RRごとに「最低限これだけ勝てばトントン」という勝率があります。これを覚えておくと、自分の手法が現実的かどうかを即座に判断できます。

RR損益分岐の勝率
1:0.5約67%
1:150%
1:1.540%
1:2約34%
1:325%
1:5約17%

たとえば「RR1:2で勝率50%」という手法があれば、損益分岐34%を大きく上回るので期待値は十分プラス。逆に「RR1:0.5で勝率55%」だと、67%に届いていないので期待値マイナスです。

数字が苦手なら、RR1:1なら勝率5割、RR1:2なら勝率3割強、RR1:3なら勝率2割半、この3つだけ覚えておけば足ります。

取引コストがRRを削る

公表されているスプレッドや取引手数料は、毎回利益側から差し引かれます。RRを設計するときは、このコスト分を最初から引いて考える必要があります。

スプレッド1.5pipsの口座で「20pips損切り・40pips利確」のルールなら、実際のRRはこうなります。

  • 実質損失 = 20 + 1.5 = 21.5pips
  • 実質利益 = 40 − 1.5 = 38.5pips
  • 実質RR = 1:1.79

公表上の1:2ではなく、約1:1.79まで下がる計算です。スプレッドが3pipsだと実質RRは1:1.6まで縮みます。コストの差はRRを直接削るので、口座選びは資金管理と地続きの問題になります。

実質的なコストの計算は スプレッド実質スプレッド計算ツール で確認できます。

ふくり博士(考え中)

ふくり博士

「RR1:2で勝率50%だから余裕」と頭で計算しておったトレーダーが、 ふたを開けてみたら実質RR1:1.5でぎりぎりだった、というのはよくある話じゃ。 紙の上のRRと、実際に手元に残るRRは別物と思っておくのじゃぞ。

高すぎるRRの罠

「RR1:5、1:10を狙う」と聞くと魅力的に見えますが、現実には2つの落とし穴があります。

ひとつは勝率が極端に下がること。利確を遠くに置けば、その手前で何度も反転してきます。RR1:10で勝率10%を維持できる手法は、相当な優位性がないと組めません。

もうひとつは含み益を吐き出すストレスです。利益が乗ってきても利確しないので、戻ってきて建値撤退や損切りになる回数が増えます。これを淡々と続けられるトレーダーは少なく、途中でルール違反の利確をして勝率は変わらないのにRRだけ下がる、という結果になりがちです。

現実的なスタートラインは RR1:1.5〜1:2 あたり。ここを安定させてから、相場環境ごとに調整するのが扱いやすい設計です。

複利との関係

複利運用とRRの関係は、リスク管理の側面から効いてきます。

複利は「増えた残高に応じてロットを引き上げる」仕組みなので、1回の損失額が残高に対して大きすぎると、せっかくの複利曲線が一発で削れます。RRが安定していると、

  • 損切りラインが明確になる → 1トレードあたりの最大損失額が固定できる
  • 利確幅が読める → 増加ペースの予測が立つ
  • 期待値計算が現実的になる → ロット設計の根拠ができる

という3点で、複利運用の前提が整います。逆にRRが毎回バラバラだと、ロット計算も期待値計算も成立しません。

ロットの組み方は ロットサイズの決め方、損切りラインの引き方は 損切り・利確の設計 でそれぞれ整理しています。

ふくり博士(注意)

ふくり博士

RRは「最初に決めて、最後まで動かさない」のが鉄則じゃ。 含み損になってから損切りを広げる、含み益になってから利確を縮める、 どちらも結果としてRRを悪化させる典型的なミスじゃ。気をつけるのじゃぞ。