ひとことで言うと

ゼロカットとは、口座残高がマイナスになったとき、業者がそのマイナス分を負担してゼロに戻してくれる仕組みのことです。どれだけ相場が急変しても、入金した金額以上の損失は発生しません。

海外FXでは多くの業者がこの仕組みを採用しています。一方、国内FXにはゼロカットがないため、口座残高を超える損失が出ると 追証(おいしょう) として差額を請求されます。

ふくり博士(ひらめき)

ふくり博士

2015年のスイスフランショックを覚えておるかの? わずか数分でフラン円が40円以上動いた事件じゃ。 あのとき国内FXでは数百万〜数千万円の追証を請求されたトレーダーが続出した。 海外FXのゼロカット口座なら、口座に入れた金額がゼロになるだけで済んだのじゃ。

なぜゼロカットが起きるのか

通常、証拠金維持率が一定水準を下回ると ロスカット(強制決済) が発動して、ポジションが自動的に閉じられます。しかし次のような極端な状況では、ロスカットが間に合わないことがあります。

  • 週明けの窓開け(金曜と月曜のレートが大きく離れる)
  • 重要イベントによる瞬間的な急変動
  • 流動性の極端な低下

このとき、ロスカットが作動した時点ですでに口座残高を超える損失が出ています。ここでゼロカットがあれば、マイナス分を業者が補填してくれます。

国内FXにゼロカットがない理由

日本の金融商品取引法では、業者が顧客の損失を補填することが 法律で禁止 されています。これは投資家保護を名目とした規制ですが、結果として、国内FXでは追証リスクがつきまといます。

国内FX海外FX
マイナス残高時追証として請求される業者がゼロに戻す
最大損失入金額を超える可能性あり入金額まで
ふくり博士(考え中)

ふくり博士

追証がないからといって「損しても平気」ではないぞ。 口座に入れたお金がゼロになるのは十分痛い。 ゼロカットは「借金を背負わない」安全弁であって、 「損をしない」仕組みではないことを忘れてはいかんのじゃ。

ゼロカットの注意点

ゼロカットは便利な仕組みですが、いくつか知っておくべき点があります。

リセットのタイミングは業者ごとに違います。即座にゼロに戻る業者もあれば、次の入金時にリセットされる業者もあります。マイナス残高の状態で追加入金すると、入金額がマイナス補填に使われてしまうケースもあるので、事前に業者のルールを確認しておきましょう。

両建て(同一口座内での売り買い同時保有)を使った悪用 を業者が監視していることもあります。極端な使い方をすると、ゼロカットの適用を拒否されるケースもゼロではありません。

複利との関係

複利運用において最も避けるべきは 元本の大部分を一度に失うこと。元本が80%減ると、取り戻すには400%のリターンが必要になります。事実上、ゲームオーバーです。

ゼロカットは「どれだけ最悪のシナリオが来ても、入金額以上は失わない」という下限を保証してくれます。複利で少しずつ育てた資金が、一度の暴落で口座残高を超えるマイナスに転落する、という最悪のシナリオを消せるのは大きい。

ただしゼロカットに頼る運用は、複利運用とは言えません。あくまで「万が一」のセーフティネットとして機能させつつ、普段はロスカットされないレベルの適正ロットで回すのが、複利を活かす前提条件になります。元本を飛ばさない口座運用全体の整え方は 複利が飛ばない口座運用設計 で扱っています。

ふくり博士(注意)

ふくり博士

ゼロカットがあるから安心、とフルレバで突っ込む人がたまにおる。 口座が飛ぶたびに入金し直すのは、複利運用の真逆じゃ。 ゼロカットはお守りであって、使うことが前提の仕組みではないぞ。