ひとことで言うと

ロスカットとは、含み損が膨らんで証拠金維持率が一定水準を下回ったとき、業者がポジションを強制的に決済する仕組みのことです。トレーダーの資金がこれ以上減らないように、業者側が自動的にブレーキをかけてくれます。

たとえば口座に10万円があり、証拠金維持率20%でロスカットされる設定なら、含み損が膨らんで有効証拠金が必要証拠金の20%を割った瞬間、ポジションが強制的に閉じられます。

ふくり博士(ひらめき)

ふくり博士

車のエアバッグに近いイメージじゃな。 事故が起きないのが一番じゃが、起きてしまったときに ダメージを「致命的」から「痛いけど生きてる」に抑えてくれる仕組みじゃ。

ロスカットの発動条件

ロスカットは 証拠金維持率 に基づいて発動します。証拠金維持率の計算式はこうです。

証拠金維持率(%) = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

この値が業者の設定した水準を下回ると、ロスカットが執行されます。

業者の例ロスカット水準
Exness0%(証拠金がゼロになるまで耐える)
TitanFX20%
XM20%
AXIORY20%

Exnessの0%は極端な例で、口座残高がほぼゼロになるまでポジションが維持されます。余力がある反面、ロスカットされたときのダメージは大きくなります。

ロスカットが間に合わないケース

ロスカットは万能ではありません。急激な相場変動では、ロスカットが設定水準で執行されない ことがあります。

代表的な場面は3つ。

  • 窓開け: 金曜のクローズと月曜のオープンでレートが大きく離れる。ロスカットは市場がクローズしている間は発動しないので、月曜にいきなり証拠金維持率0%以下で始まることがある。
  • フラッシュクラッシュ: 数秒〜数分で数百pips動くような急変動。注文の処理が追いつかない。
  • 流動性の枯渇: 取引相手がいなければ、決済したくてもできない。

こうしたケースで口座残高がマイナスになったとき、海外FXならゼロカットで補填されますが、国内FXでは追証として請求されます。

ふくり博士(考え中)

ふくり博士

「ロスカットがあるから安心」と思っている人は多いが、 ロスカットは「だいたいこの辺で止まる」程度の仕組みじゃ。 100%その価格で止まる保証はないことを覚えておくのじゃぞ。

ロスカットを避けるための基本

ロスカットされること自体が「失敗」ではありませんが、複利運用においては大きなダメージです。避けるための基本は3つ。

適正なロットで取引する。口座残高に対してポジションが大きすぎると、少しの逆行でロスカット水準に達します。レバレッジを目一杯使わないこと。

損切り(ストップロス)を自分で設定する。ロスカットに頼るのではなく、もっと手前の段階で自分から損失を確定させます。ロスカットは「最後の砦」であって、普段使いするものではありません。

証拠金維持率を常に監視する。多くの業者では、ロスカットの前段階として「マージンコール」が発動します。この警告段階で対処できれば、ロスカットまで行かずに済みます。

複利との関係

複利運用で最も重要なのは 元本を大きく減らさないこと。ロスカットされるということは、口座資金の大部分を一度に失うということ。ドローダウンの項でも触れたとおり、50%減ったら取り戻すのに100%のリターンが必要になります。

複利で月5%ずつ増やしていたとしても、ロスカットで資金の80%を失えば、そこからの回復に1年以上かかる。それまでの努力がほぼ水の泡です。

だからこそ、ロスカットに頼らず、自分の損切りルールで損失をコントロールする のが複利運用の大前提。ロスカットはあくまで「想定外の事態に対する保険」として位置づけ、日常的にはストップロスで資金を守る習慣が必要です。1回の負けで終わらない損失設計の出発点は FXの2%ルール で扱っています。

ふくり博士(注意)

ふくり博士

ロスカットされた直後に「取り返そう」とロットを上げる人がおるが、 これは複利運用の真逆の行動じゃ。 資金が減ったらロットも下げる。減った元本に合わせて仕切り直す。 感情ではなくルールで動くことが、複利を味方につける唯一の方法じゃぞ。