ひとことで言うと
IFD注文とIFO注文は、エントリーから決済までをまとめて予約する注文方法のことです。チャートに張り付かなくても、決めておいた価格でポジションが入り、決めておいた価格で決済されるようにできます。
2つの違いはシンプルです。
- IFD(If Done): 新規注文+決済1本(利確 or 損切り のどちらか)
- IFO(If Done + OCO): 新規注文+決済2本(利確と損切りのセット)
IFOはIFDとOCOを組み合わせた発展形、と覚えておけば十分です。エントリーから決済まで完全に自動化したい場合はIFOを使います。
ふくり博士
料理の予約と同じ発想じゃ。 「○時に食材が届いたら、自動で煮込みを始めて、○分後に火を止めてね」と頼む感覚。 IFDは「火を止めるタイミング1つ」、IFOは「火を止める+焦げそうなら強制停止」の2段構え、と覚えるとよいぞ。
IFD注文の仕組み
IFD注文は、新規エントリーと決済1本をセットで予約する形です。
たとえばドル円が現在151.00円のとき、
- もしドル円が 150.00円まで下がったら買う(新規)
- 買えたら 151.00円で利確売り(決済)
という2段階の予約を一度に出せます。150円に到達するまでは何も起きず、到達した瞬間に新規ポジションが入り、同時に151円の利確注文が自動で発注されます。
「決済1本」というのは利確か損切りのどちらか、という意味です。両方を同時に置きたい場合はIFOを使うことになります。
IFO注文の仕組み
IFO注文はIFDの強化版で、新規エントリー+利確+損切りの3点セットを1つの注文で予約します。
先ほどのドル円150円買いの例で言うと、
- もしドル円が 150.00円まで下がったら買う(新規)
- 買えたら 151.00円で利確売り(決済1)
- 同時に 149.00円で損切り売り(決済2)
この3つを同時に予約できます。150円で買いが約定した瞬間に、151円と149円の両方に決済注文が並び、どちらか到達した方が約定し、もう片方は自動キャンセル(OCOの仕組み)になります。
エントリーから出口まで完全に手放しで完結するので、仕事中や就寝中にしか動けないトレーダーには現実的な選択肢です。OCOの仕組みは OCO注文 で整理しています。
どんなときに使うか
IFD/IFOが向いているシーンは大きく3つあります。
| 場面 | 課題 | IFD/IFOの効き方 |
|---|---|---|
| 仕事中にチャートが見られない | エントリーチャンスを逃す | 指定価格で自動エントリー |
| 就寝中に重要指標 | 起きたら大きく動いていた | 損切りが事前に効いている |
| 感情で利確・損切りを動かしてしまう | RRが毎回ブレる | 注文時点で価格が固定される |
特に3つ目の「感情で動かす問題」を物理的に防げるのが大きい点です。注文を出した瞬間に出口価格が決まっているので、含み損で損切りラインを広げる、含み益で利確を縮める、という典型的なルール違反が起きにくくなります。
業者ごとの実装差
IFD/IFOという日本語の名称は、国内FX業者で広く使われているものです。海外FXのMT4/MT5にはこの名前のままの注文ボタンは存在しないものの、機能的には次の手順で同じことができます。
- 新規注文画面で「指値注文」または「逆指値注文」を選択
- 同時に T/P(Take Profit)と S/L(Stop Loss)を両方入力
- これでIFOと同じ動きになる
つまりMT4/MT5でも「新規の指値+利確+損切り」を1画面で入力できれば、それがIFOそのもの。機能の有無ではなく、画面の言葉が違うだけだと考えれば迷いません。
ふくり博士
「海外FXはIFOが使えない」と勘違いして国内FXに戻る人が時々おる。 実際は新規注文時にT/PとS/Lを両方埋めるだけでIFOと同じことができる。 ボタンの名前だけ見て判断すると、機能を取り逃がすぞ。
使うときの注意点
便利な反面、IFD/IFOを過信すると次のミスが起きやすくなります。
- 新規注文の価格が遠すぎて約定しない: 何時間も待っても発動せず、相場が逆に行って機会損失
- 損切り幅が狭すぎて秒で約定: ノイズだけで損切りに引っかかる
- 重要指標を考えずに置きっぱなし: 指標発表のスプレッド拡大で意図しない価格で滑る
エントリー価格・利確価格・損切り価格の3点は、チャートの根拠(直近の高値・安値・サポートライン)に紐づけて決めるのが基本です。サポート・レジスタンスの引き方は サポートライン・レジスタンスライン で扱っています。
複利との関係
複利運用とIFD/IFOの相性が良いのは、取引のばらつきを物理的に減らせる点です。
複利は同じ期待値の取引を繰り返す前提で機能するので、毎回のエントリー・利確・損切り価格が裁量で揺れると、計画通りに残高が伸びません。IFD/IFOで3点を事前確定させておくと、
- 1トレードあたりのリスクが固定できる
- リスクリワード比が毎回同じになる
- ロットの計算根拠が明確になる
という流れで、ロットサイズの設計もブレなくなります。具体的なロット計算は ロットサイズの決め方 で整理しています。
ふくり博士
IFD/IFOで全自動化しても、置きっぱなしのまま放置は危険じゃ。 経済指標の前後でスプレッドが広がると、損切り価格を飛び越えて滑ることがある。 発表前に注文を取り消すか、損切り幅を広めに取り直すかは、必ず事前に判断するのじゃぞ。