ひとことで言うと
約定力とは、自分が出した注文が、狙った価格どおりに成立する力のことです。「注文ボタンを押した瞬間のレート」と「実際に成立したレート」がどれだけ一致するか、という話です。
約定力が高い業者なら、押した瞬間のレートでスパッと通ります。低い業者だと、ボタンを押してからワンテンポ遅れて、少しズレた価格で通る。この「ズレ」が積み重なると、想像以上のコストになります。
ふくり博士
お店で値札を見て「これください」と言ったら、 レジで値段が微妙に違っていた、という状況を想像してみるのじゃ。 1回なら気にならないかもしれんが、毎日100回買い物するならどうじゃ? ちりも積もれば山になるのじゃよ。
約定力が低いと何が起きるか
約定力が低い業者では、次のようなことが起きやすくなります。
スリッページ: 注文した価格と約定した価格がズレる。たとえば150.000で買い注文を出したのに、150.015で約定する。この0.015円(1.5pips)の差が、そのまま余分なコストになります。
リクオート: 注文を出したら「この価格ではお受けできません」と弾かれて、新しい価格を提示される。チャンスを逃す原因になります。
約定拒否: そもそも注文が通らない。急変動時やスキャルピングで頻発しやすい挙動です。
約定力はスプレッドと同じくらい大事
スプレッドが狭くても、約定力が低ければ意味がありません。
たとえば業者Aはスプレッド0.5pipsだが毎回0.5pipsのスリッページが発生する。業者Bはスプレッド1.0pipsだがスリッページはほぼゼロ。実質コストは同じ1.0pips程度です。
スプレッドは公表値があるから比較しやすいのですが、約定力は数字として見えにくい。だからこそ注意が必要です。
ふくり博士
約定力は使ってみないと分からない面もある。 じゃがデモ口座のスペックと本番口座のスペックが違う業者も少なくない。 評判やレビューだけでなく、小さいロットで実際に試すのが一番確実じゃ。
約定力に影響する要素
約定力を左右する主な要素は3つあります。
サーバーの場所と品質: 業者のサーバーが自分のいる場所から近いほど、注文の伝達が速くなります。東京にサーバーを持つ業者は日本のトレーダーにとって有利です。
注文方式: NDD(No Dealing Desk)方式の業者は、顧客の注文を直接市場に流すため、約定拒否やリクオートが起きにくい。DD(Dealing Desk)方式だと、業者が一旦注文を受けるため、介入の余地があります。
流動性プロバイダーの数: 業者が接続している銀行やリクイディティプロバイダーが多いほど、大口注文でも滑りにくくなります。
複利との関係
複利運用では、毎回の取引コストが月間・年間の成績に直結します。スリッページが平均0.3pips発生するだけでも、月に50回取引すれば15pips分のコスト。年間で180pipsです。
この180pipsが元本に残っていれば複利で回せたはずの金額を、見えないコストとして失っていることになります。スプレッドの比較だけで業者を選ぶのではなく、約定力を含めたトータルコストで判断するのが、複利運用を本気でやるなら欠かせない視点です。トータルコストと複利曲線の関係は 複利運用×海外FXのコンセプト で深掘りしています。
ふくり博士
「スプレッド最狭!」を売り文句にしている業者でも、 約定力が低ければ実際のコストはもっと高いかもしれん。 カタログスペックだけでなく、自分の目で確かめることが大事じゃぞ。